5.検査済証が交付された準防火地域の建売住宅の
  耐火性能法令違反

準防火地域内の3階建て住宅は準耐火建築物にしなければなりません。

また、準耐火建築物は、主要構造部を準耐火構造としたもの、外壁を耐火構造としたもの、主要構造部が不燃材料・準不燃材料としたものなどがありますが、3階建ての建売住宅では主要構造部を準耐火構造とした準耐火建築物が多く見受けられます。

準耐火構造は建築基準法施行令第107条の2により、下記表の建築物の部分にあっては、通常の火災による火熱が加えられた場合に、表に掲げる時間、構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものであることと定められています。

 壁

 間仕切壁(耐力壁に限る)

45分

 外壁(耐力壁に限る)

45分

 柱 

45分

 床

45分

 はり

45分

 屋根(軒裏を除く)

30分

 階段

30分

また、外壁の開口で延焼のおそれのある部分(隣地境界線、道路中心線から1階にあっては3m以下、2階以上にあっては5m以下の距離にある建築物の部分)は、防火戸や防火ダンパー付の換気フードを設置しなければなりません。

しかし、中間検査合格証及び検査済証が交付された建売住宅でも、準耐火構造の法令違反や防火戸・防火ダンパー未設置の欠陥事例が多く見受けられます。

3階建ての中間検査は1回目が基礎の配筋時、2回目が木造の場合は屋根工事時、非木造の場合は3階はり及び床の工事時です。中間検査後は完了検査が行われて検査済証が交付されます。

壁、柱、床、はり、屋根、階段の準耐火構造は、中間検査後に確認申請図の準耐火リストに基づいて石こうボードや強化石こうボード等で被覆され、ビニルクロス張り等の仕上が行われます。しかし、完了検査はビニルクロス下地の準耐火構造の検査を行わずに検査済証が交付されるのが通常ですから、建売住宅では準耐火構造の手抜きが行われるおそれがあります。

私たちは壁の準耐火構造の調査は、コンセント及びスイッチのプレートを外して、石こうボードの厚みを測定します。また、天井の準耐火構造の調査は天井点検口箇所で石こうボードの厚さを測定したり、小屋裏に入って石こうボード裏面の印刷を確認します。

GB−Rは石こうボード、GB−Fは強化石こうボード、GB−Dは化粧石こうボードです。また、不燃、準不燃、難燃の種類が印刷されています。調査結果と準耐火リストを照合して法令違反の有無を確認します。

また、棟間隔が狭い建売住宅の外壁は準耐火構造の窯業系サイディングから、準耐火構造の認定を受けていない金属系サイディングに変更された法令違反の事例も見受けられます。金属系サイディングは軽くて作業性が良いために法令違反が行われます。

さらに、延焼のおそれのある部分の開口部に防火戸が設置されていない事例も見受けられます。アルミサッシの防火戸は防火認定品のfマーク証紙が貼られています。fマーク証紙の有無によって法令違反の有無が確認できます。換気フードの防火ダンパーの有無は換気フードを外部から目視することで確認できます。