3. 枠組壁工法住宅の曲面壁による耐力壁量不足

枠組壁工法はツーバイフォー工法ともいわれ、木材を使用した枠組に構造用合板その他これに類するものを打ち付けることにより、壁及び床版を設ける工法です。

曲面壁を有する枠組壁工法住宅の二つの事例に関与しました。

一つは外壁長さの約1/3が曲面壁で設計された2階建て建物です。曲面壁に使用された壁材は「サーモプライ」という材料です。「サーモプライ」は壁倍率1.5の認定を得ていますが、曲面施工の壁倍率は認定を受けていません。

また、現時点では曲面施工で壁倍率の認定を得た壁材が存在しないため、曲面壁は耐力壁とみなせません。そのため、この建物は耐力壁配置のバランスが悪く、偏心率が許容値を超えていました。

外壁の曲面壁は直線で構成する多角形の耐力壁に変更する補修が必要でした。

他の一つは建物内部に楕円形の居間を配置した2階建て住宅です。確認申請図面は楕円形部分が直線で構成する多角形の耐力壁でしたが、デザインを優先して施工時に曲面壁の楕円形に変更されました。

平成13年国土交通省告示第1540号第5第6号は「耐力壁により囲まれた部分の水平投影面積は40?(床版の枠組材と床材とを緊結する部分を構造耐力上有効に補強した場合には60?)以下としなければならない。」と定めていますが、この建物は60?を超えており、楕円形部分の曲面壁は直線で構成する多角形の耐力壁に変更する補修が必要です。

2階建ての枠組壁工法は構造計算が不要なため、確認申請時の設計審査で、偏心率や耐力壁で囲まれた水平投影面積のチェックが不十分なために生じた欠陥事例です。