欠陥住宅の調査の依頼

 

以下のような調査の依頼があります。

弁護士からの調査依頼
弁護士に住宅トラブルの相談があり、弁護士からどのような瑕疵や欠陥があるか調査依頼があり、簡易な予備調査を行い報告書を作成します。
その後、欠陥内容によって裁判や調停になる場合は、本調査を行い詳細な鑑定書を作成します。

居住者からの調査依頼
居住者からの調査の依頼は、雨漏りやひび割れ、床の傾斜や家が揺れる等の欠陥現象が生じているが、施工会社が対応してくれない。施工会社と交渉するための報告書を作成してほしい。

不具合があり、施工会社が手直しをしたが、他にも欠陥があるのではないかと心配で見てほしい。
施工会社が手直しをすると言っているが、その前に一度きちんと見てほしい。

など、施工会社の対応が悪い場合や信用できない場合に依頼があります。また、調査に行くと、構造の欠陥や耐火構造の欠陥、法律違反などの重大な欠陥がある場合もあります


調査内容と調査費用について

予備調査
予備調査は、依頼者自身がどのような瑕疵で、原因がわからないという方のために、瑕疵箇所の特定や原因、法令・公庫・確認申請書違反等の有無を調査し、写真や図面を添付した報告書にまとめます。

調査費用は、調査内容によりますが、10万円〜15万円程度です。

その後、重大な欠陥があり訴訟や調停になるような場合は本調査を行います。

本調査
本調査は、予備調査の内容をもとに詳細な調査を行って、瑕疵原因を明らかにし、裁判や調停を想定した鑑定書を作成いたします。
損害賠償請求事件になる場合は補修費用も算定します。

最初から重大な欠陥があることがわかり、話し合いでは解決しないような場合は予備調査をせずに、本調査を行う場合もあります。

調査費用は、瑕疵の内容や、求められている報告書の内容により異なりますので、見積書を提出のうえ調査に着手します。

また、事前に事務所に来所して頂き、瑕疵の内容について相談していただければ、調査費用の見積書を提出いたします。

実際の依頼内容

実際の依頼内容の一部を紹介します。

No.1
木造2階建ての新築住宅を購入して2年で、壁クロスに多数のひび割れが生じていることから、調査の依頼がありました。また、2年点検時に売主に補修してもらう箇所も含めて調査を行いました。

調査の結果、建物隅角の火打ち材の未設置や、小屋組の振れ止めの未設置などの建築基準法違反がありました。また、梁や束などが乾燥不良により構造材が5mmほど収縮し、羽子板ボルトなどの緊結金物が緩んでいました。

壁クロスのひび割れ原因も下地木材の乾燥収縮による挙動だと推定されます。
その後、報告書を基に依頼者が直接、売主と交渉し、報告書の内容どおりの補修工事を行うことで合意しました。

No.2
家が揺れるとのことで調査の依頼がありました。建物概要は木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の1階が駐車場の3階建て建売住宅です。
実際に3階に座った状態で別の部屋で軽く振動を与えると、震度1か2ぐらいの揺れを感じました。また室内の壁は振動による亀裂が多数生じていました。
揺れる原因は建物の平面プランが縦長のコの字型で、平面計画と構造計算書に不備があり、確認申請を検査した民間検査機関も不備があることを認めています。しかし、中間検査と完了検査には合格しています。デザイン優先で建物の安全性を無視した建物でした。
その後、交渉の結果、契約解除することで合意しました。

No.3
家が揺れるとのことで調査の依頼がありました。建物概要は準防火地域に建つ鉄骨造3階建ての建売住宅です。
軟弱地盤のため鋼管杭を打っているのですが、幹線道路沿いの土地のため車の振動で揺れるとのことでした。また、強風時にも揺れを感じるそうです。
3階で柱を押すと軽い揺れを感じたことから、地盤だけの問題ではなく構造にも問題があるのではと思い、鉄骨の溶接状況を確認するため超音波探傷試験を行いました。結果は柱とダイアフラムの溶接不良でした。また、準防火地域に建つ3階建てなので、準耐火建築物として確認申請が行われていますが、外壁や内壁、天井、階段、軒裏等が法律で定められた準耐火性能を満たしておらず建築基準法違反でした。しかし、中間検査、完了検査には合格しているという建物でした。

No.4
大手ハウスメーカーが建てた住宅の調査の依頼がありました。
大手ハウスメーカーですが、基礎から上は下請けの工務店が建設した物件です。
問題としては、床傾斜や建具の立付不良などが生じたのですが、ハウスメーカーは基礎から上を建てた下請けの工務店の仕事が悪いと、工務店に何回も無償で補修を行わせました。しかし、調査の結果、基礎でレベル測定を行うと基礎に沈下が生じていました。
沈下の原因は、隣地との地盤の高低差が2m程あり、石積み擁壁で地盤を支えているのですが、その石積み擁壁が緩み、地盤が沈下したと推定されます。
ハウスメーカー側も原因はすぐにわかっていたはずなのですが、居住者には基礎に問題が無いと報告していました。
その後、裁判の結果、依頼者が納得できる金額で和解が成立しました。